うれしかったこと

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工房からの風から、早くも1週間が経ちましたね。
なんだか夢のようです。
終わってからのこの数日、安堵感というよりも
ジェットコースターのように気持ちが揺らぎ、
熱までジェットコースター状態となってあがったり、さがったり。
この終わった後のまさに嵐のような出展者の方たちからのメッセージと、
当日に感じた自分の実感がないまざって、落ち着くところ、
行くべきところへ気持ちが向かうのでしょうか。

しっかりと降る雨の日曜日、企画展も行っていないので、
静かにヒナタで事務仕事などをしていました。
そのうちいらした若いご夫婦。
男性のほうが「イナガキサン!」と声をかけてくれたのです。
「・・?」
一瞬わかりませんでした。すると
「以前工房からの風でお世話になったTです」
と、名乗ってくれたのです。
「あーTさん!!!」
うれしくって、びっくりして、、、。
どうしてるの?元気にしてるの??
と、久しぶりに会ったかわいい甥っ子状態のような会話になって、
いかんいかんと自分を戒めて。

Tさんのことは、印象に残っていたのです。
とてもすてきなセンスを持っている人でしたけれど、
経済のための下請け仕事でいっぱいいっぱいで、
全体ミーティングにも来られなかったし、個人ミーティングもこちらから依頼して
夏にようやく、、といった感じで。
それでも、ゆっくり話すととても同じ言葉を持っているひとで、作るものにも魅力を感じて。
少し時間がかかるだろうけれど、ぜひ、自分らしい仕事を真ん中においていってほしいな、
そう心の中で応援していたのです。
(いや、実際、おせっかいながら、ずいぶんアドバイスのようなことを言っていたのでした・・)

けれど、ある日郵便物が転居先不明で戻ってきて、HPをみても更新がなく。。
何気なく共通の知人に聞いてもわからずに。
残念でした。
仕事をやめるにしても、せめて引越し先くらい教えてくれてもいいのに、
そんなことも思いました。
心をこめて応援したのも、なんだか空しく思えてしまったり。。。
そんなことが心の底の方にずっと沈んでいたのでした。

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震災の後、思うところあって、関西に移住したこと。
下請け仕事を一切やめて、自分のものづくりに専念したこと。
夫人のRさんと一緒に、お店を開いたこと。。。
爽やかに笑顔で話してくれました。
ええ、ほんとうにいい顔をしていたのです。
出展したときには、寝不足のためか、いつもしんどそうで、
機械や車で事故でも起こさなければいいのだけれど、、
とこれまたシンパイしていたのでした。

イナガキさんには、メールか手紙か電話か、、、とずっと気にしていたのだけど、
会って報告をしたかった。それが、ようやく叶いました。
そんな風に言ってくれたTさんは、自分のものづくりだけをするようになって、
イナガキさんにいってもらったことを、しょっちゅう思い出します。
当時はぜんぜん応えられなかったなぁ。けど、今はすごくわかるなぁって。

私、わはは、と笑い飛ばしましたけれど、
本当は泣きそうなくらい、うれしかった、んですよ。

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私の仕事の喜びのひとつは、やはり作家と心が通じたときなのですね。
作家がよい仕事をしてくれた、そのことに粒ほどの何かができていたかもしれない、
そう思えたときには、ああこの仕事をしていてよかった、と心から思います。
なので、その反対に、自分の行為や言動が、作家にとって負の要素になったと感じたときには、
空しさや、消えてしまいたくなるような気持ちにもなります。
Tさんには、私なりに伝えたいことを伝えたけれど、それが負担だったのかな、
そうどこかで思っていたので、そうではなかったと知れたことは、
何よりの贈り物を受け取ったような気持ちでした。

TさんとRさんのショップ、いつか遠からずうかがいたいと思います。
今日は匿名にしておきましたけれど、そのときは、ちゃんとレポートをしますね!
さあ、また、明日から爽やかな気持ちで進んでいこう!
ようやくそんな気持ちです。