つなぐ人を探します。

今回は作品紹介やギャラリーショップ案内ではなくて、
ともに働く人の募集についてお書きしました。
ご興味のある方のみ、以下お読みいただけましたらと思います。
よろしくお願いいたします。           稲垣早苗

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作り手の仕事を、使い手につなげる仕事。
私の仕事の大きな一面はそういう仕事です。

それは企画をしたり、販売をしたり、書くことなどで紹介をしたり・・・。
さまざまな局面がありますが、いずれも作る人と共にあることを、
仕事の真ん中に置いてきました。

新鮮な作り手たちは、時代の中で果実のように生まれてきます。

毎年「工房からの風」の公募に携わっていて、
作り手志望の人がなんと多いことかと思います。

けれど、その仕事と共にある仕事、そう、私のような仕事に就きたい人って、
いったいどこにいるのでしょうか。
よくわからないのです。

作る人がどんどん増えていって、
使う人も裾野はこの十年でだいぶ広がったように思います。
けれど、つなぐ仕事の人が増えていかないのは、どうしてでしょう?
必要がなくなったのでしょうか。

流通の中で意味のない仕事でしかないのなら、淘汰されて当然だと思います。
所謂クラフトフェアのような直売りだけでよき循環がなされるのであれば、
つなぐ仕事は必要ないのかもしれません。

でも、やはりそれだけでよいとは思えないのです。
それは作る人との会話の中で特に思います。
つなぐ人が足りていないこと、熟していないことで、
困惑している作り手が多いように感じます。

クラフトフェア的なあり方も、もはや隆盛に向かう時は過ぎて、
それぞれ選別されていく時代に入っているように感じます。
私自身もその中にありながら、
うっかりして自分が望んでいない方向、風潮を、
生む側になってしまわないようにと心を砕きます。

楽しかったり、センスがよかったり、気持ち良いことっていいですよね。
そのことと作る仕事がリンクしていることは多いですから、
楽しかったり、センスがよかったり、気持ちが良いことと響きあった、
作る仕事の発露がどんどん進んでいったのでしょうか。

でも、そのことで停滞してしまったことってないのかな。

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私自身のことを書きましょう。
そのような時代の中にあって、物足りなさを感じているのです。
楽しければよい、的な風潮。
なんだか軽い仲良しクラブのような雰囲気。

それって、自分がしてきた仕事の姿でもあるんですよね。
苦しいよりも楽しいほうがいいし、
仲が悪いより、仲が良いほうが断然いいですから。

でも、そのことで、ものを見ること、作る人を見ることを
曖昧にしてしまってはいけない。
最近特に思うようになりました。

ヒナタノオトをオープンした時、
人気のある作家が一極化していくような風潮を感じて、
それに乗るのではなく、多様性の中にありたいと思いました。
その想いに変わりはありませんが、
多様性の中で、もっと高みに向かっていく仕事をしていきたいのです。

いつまでも入り口のところに居続けるのもひとつの仕事かもしれません。
裾野を広げるという仕事。
でも、今不足していて、とっても必要とされているのは、
その先の仕事だと感じています。
広がった裾野がばらけて雲散してしまわないように深めていく仕事。
そういう仕事の中で少しでも役に立つ者でありたいし、
年齢を重ねた自分が持つこれからの時間の中で
熟していきたいのは、そういう仕事なのです。

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探している人のことについて書きましょう。
作る人と共にある、つなぐ仕事に就きたい人。
そういう人を探しています。

但し、楽しいこと、センスのいいことにとどまらず、
工芸の深い部分をちゃんと見ていきたい人を求めます。
(クラフトフェアがやりたい、とか、雑貨店を開きたい、
という方は、もっと適した人や場が他にあると思います)

私自身が知っていること、習得したことは惜しみなく伝えますが、
私自身が謙虚に一から学びたいと思っていますから、
そのことと添って、一緒に学ぶような気持ちをもって働ける人。

処理能力があることよりも、「感じ、思い、考えるひと」。
伝えられたことをそのまま受け売りするのではなく、
クリエイティブにとらえ、ふくらませて実行できる人。

所謂、求人募集ではないのです。
幸い「お手伝い」をしてくれる人は豊かにいるように思います。
これからの時代に「つなぐ仕事」を担っていきたいひととの出会いを探しています。

そのひとの個性によって、企画者としての道が適しているか、
ギャラリーやショップの運営者が適しているのか、
書き手やデザイナーとしてつなぐ仕事に進むのか。
いずれ、知識を深め、考えを熟し、経験値を高める中から、
そのひとならではのつなぐ仕事を形作ってほしいと思います。
その導きはできる限り行います。

私自身は喜びも時には悲しみも含め、
作る人と共にある仕事に就いたことを幸せに思っています。
これからの時間の中で、「作る人と共にある仕事」に喜びを感じる人を、
ひとりでも増やしていきたいと思います。

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具体的には、8月の三越の催事、10月の工房からの風を
共に働いてもらえるひとを望みます。
その後、どのように関わってもらうかを、折々相談していきましょう。
(8月と10月は頻繁に、9月も若干働けるひとを希望しますが、相談に応じます。
但し、10月18日(土)19日(日)の「工房からの風」は必ず出られるひとに限ります)

制限をするのは心苦しいですが、現在のスタッフ構成等を考慮して、
年齢は35歳くらいまでの方を希望します。

詳しいお問い合わせはこちらあてにお願いします。
メール → 
氏名、年齢、最寄駅、メールアドレスを記して、
つなぎ手希望としてお尋ねください。
折り返しお返事させていただきます。

いろいろと書きましたけれど、何かを批判したり、嘆いているわけではありません。
小さな自分ができること、これからしていきたい仕事の中で、
一緒に働くひとを探したい。
そして、そのことが「作り手の仕事をつなぐ仕事」の担い手を増やすことに通じたい。
そう思っています。

よき出会いを希います。

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