徳島からやってきた羊さん

IMG_5628 (500x333)

郵便小包が届きました。
包みをほどくと、あらら、白い羊さん。

IMG_5627 (500x333)

徳島で楮の木を育て、糸を作り、布(かじふ)を織る石川文江さんから。
昨年8月の三越展のときのお礼の(こちらこそなのですが)お便りが
達筆の筆文字で添えられてありました。

「・・・
今は原料の楮の収集作業中です。もう回数も重ねてきましたが、
寒さがこたえます。
でも、厳しい寒さは、良い繊維ができるので、気合でがんばりたいと思います。
・・・」

木の皮をはいで、煮て、表皮をはいで、凍らせて、裂いて、績んで・・・
気の遠くなるような工程を経て、この愛らしい羊さんが生まれてきたのですね。
今年の守り神様として!店内にいていただこうと思います。

IMG_5630 (500x333)

ふふ。
ちょっと毛刈りのような感じで横たわってもらったら、
楮羊
の文字が!
石川文江さんありがとうございます。
(といっても、文江さん、pc見ていないと思いますが)

:::

ちょうど、年明けに、石川さんのことを思っていました。

楮布を作るおばあちゃんたちがいなくなったら、この技術はなくなってしまう。
自分が進化させたり、新たな価値を見出せなくても、
技術を繋いでいくだけであっても、次の世代でやってみたい!
という人に役立つことができる。

楮布作りを職業としていくことの難しさをしみじみ感じた末に、
自分が何かを形にして成功することではなくて、
未来の誰かにつなぐための役割の尊さに思い至ったという
お話しを聞いたことを思い出していました。

最近、私自身もそんなことをよく考えます。
経済社会の中で生きて、その恩恵を受けて生きているのですが、
それだけのために、あらゆることが優先されていいのだろうかと。

自分が成しえて花を咲かすことばかりではなく、
自分の生きている時間に、ある役割を受け持つことで、
大切なものが途絶えずに、次の世代につながっていったのなら、
それは、とても意味があるのではないかと。

そんなことをつらつら思っていたところにやってきてくれた羊さん。
私の尋ねごとには黙って何も答えてはくれませんが、
なんとも淡々と穏やかな瞳をしているのでした。