堀内亜理子さん(漆器)

北海道旭川に工房を持つ堀内さん。
岩手県安代町漆器センターで漆を学び、
岩手県の浄法寺産の国産漆も加えて制作しています。
誠実な塗りを基本に、
現代ならではの模様を漆絵として器に描いています。

IMG_2740 (1) (600x800)手塩皿(上から~月食、つばめ、福寿草)

Q
百花展には、どのような作品を出品されますか?

A
ここ数年で取り組んでいる、
ししとう文様のお弁当箱や器を中心に出展します。
ししとうのどこが好きかというと、
枝ぶりと葉っぱと花のバランスが絶妙で、
めいっぱい光を受けとめようと葉を伸ばすと枝ぶりと、
小さくて可憐な真白い花を散らすように咲かせる対比が美しくて大好きです。

ハウスの中だとちょっとした樹木くらい、
自分よりも大きな背丈になります。
最盛期は朝晩2回収穫できるくらい、
目に見えて成長の早い野菜です。

もし夏の茶会の亭主をするなら、
ししとうを是非飾りたいものだと思っています。
スーパーや花屋にけして並ばない、
農家だけが知っている花景色なんだなと思います。

さっと油をしいて、塩胡椒とタラリと醤油で頂くのが夏の楽しみです。
あ、話が花から団子になってしまいました(*^o^*)

IMG_2736 (599x800)おむすび弁当箱(ししとう)

Q
亜理子さんの「ししとうLOVE」、伝わってきますねー。
では、会場では、どのようなところを特に見ていただきたいでしょうか?

A
北海道で制作していると、どうもオリエンタルな漆器になります!
多分、気候や光がロシアに近いせいかなと最近思っていて、
そういう感覚を大事にして、形にできたらと思っています。
お客様にはどう見えるのでしょうかね?
ぜひ会場で話しかけてください(笑)

IMG_2742 (1) (599x800)手塩皿(上から~ししとう、ながいも)

今日の旭川はマイナス12度!
想像ができない気温ですが、そのような中、
今日もひたむきに制作をすすめる亜理子さん。
春の気配の日本橋で、その漆器と出会えるのが待ち遠しいです。

Q
亜理子さんのお好きな花を4つ教えてください。

A
はい、まずは先ほどお伝えしたししとう。

そして、福寿草。
北海道の旭川は冬が長く、約半年は雪のモノクロームの世界です。
色のある春が非常に待ち遠しく、5月に桜も梅も一斉に咲きます。
雪溶けの4月、山に行くと樹の麓で雪のくぼみから黄色い顔をだしているのが「福寿草」です。
誰よりも先に春を感じ取り、
山で人知れず元気な花を咲かせている、待ちわびた春に出会う感動はひとしおです。
咲くタイミングも、花の大きさも、花びらの色艶も、元気をくれる大好きな花です。

キタコブシは、桜より少し早く咲きます。木蓮の系統です。
白い鳩みたいに大きな花をボロン、ボロンと上向きに咲かせて、
あの大きさと白さがかわいくて、手に届かない場所に咲くだけに、益々憧れてしまいます。
春の山を遠くから眺めて、ポンポンと白く見えるのがキタコブシ、ピンクがエゾヤマザクラです。
どちらも群れを成さない樹種だそう。

昔の農家さんは家の前に植えていたようで、
咲き具合で、その年の天候や収穫を予測していたそうです。
アイヌの人達はお茶にしていたそう。
将来自分の家には是非植えたいなあ。

一度植木屋さんが枝を払ってくれた時、とてもいい匂いがして、
本当にうっとりしました。
植木屋さんだけが知っているほんまもんのアロマだなあと思いました。

そして、最後は六花。
この花無くして北海道は語れません。
六角形の花こと「雪」です。
旭川は寒いので、大気中の雪の結晶が型くずれしないまま地上まで降りてきます。
とても綺麗だし不思議です。
とにかく寒いし、雪が積もって思わぬ時間を割くこともあるけれど、
旭川は大雪山の100年前の深層水が今の水道水になっているそうなので、
この雪の恩恵なしに暮らしの営みは有り得ないのだなと思います。
春に消えて冬に必ず咲く花です。

horiuchiariko絵:大野八生

亜理子さん、こまやかにお伝えくださってありがとうございます。
八生さんの漆器の朱も美しいですね。
つばめが六花を咥えているのも、愛らしく。