本屋の楽しみ

私の住む街には新刊の本屋が
一軒しかありません。
あれよあれよと閉店して
今では駅前の一軒のみ。
「こんな事で良いのか!」と嘆きましたが
家の書棚の本を読むばかりの私が
嘆いても仕方ありません。
街の本屋が減ったのは
私のせいでもあるのです。

そんな中
本を買おうと出かけた本屋は
印象深い店でした。

欲しい本があったので、
神保町の韓国書籍専門店へ。

雑居ビルの階段を上がって店に入ると、
ハングルと日本語訳の本がズラリ。
韓国の本は装丁が素敵で
すっかり見惚れていると
店員さんがササッと寄ってきて
探している本を差し出してくれました。
「この著者が好きで…」と話した途端、
著者のこと、他の作家のこともスラスラと。

好きが詰まった会話に嬉しくなり
まだ手に取っていない沢山の本にワクワクし
大満足でお店を出ました。

そしてもう一軒。
入店料を払ってのんびり本と向き合う
新しいシステムの本屋。
あまりの居心地の良さに5時間滞在してしまうのですが、
最初に手に取った本に
手書きのメモがはさまれていました。

「こんなにも逃げるように
どこかに入ったことは
わたしはあるだろうか」

ドキッとしました。
お店の雰囲気と相まって
何かのインスタレーションかしらと
他の本をパラパラめくっても
この本だけにしかメッセージは ありません。

図書館や古本屋で
前に手に取った人を感じる不思議な体験。
本との出会いだけではない
特別な気持ちでお店を出ました。

この2軒で持ち帰った本と
街の本屋で買った本を
その時の気分で読んでいます。
相変わらず書棚の本も読みますが….

読書を楽しみつつ
思いがけない出会いがあるかもと
本屋に出かける楽しみも増えました。