日に新た

毎回、展覧会のタイトルは真剣に考えます。
特に菅原さんは、毎回私の付けたタイトルを重く!受け止めてくださるので、真剣度もmaxです。

さて、今回、どのようにいたしましょう。
そう思ったとき、菅原さんの変わらぬ思い、原点に思いを寄せました。
菅原さん、日々に使ってほしい、ということを心から願っている人。
そして、実際にご自宅でご自身の器を中心に、好んで集められた器を楽しみ、食事を豊かに楽しんでいる方。

クリスマス、お正月と晴れの機会にも映える器であるけれど、
そのような機会から使い始めても、そのまま日々に愛用いただけるのが菅原さんの器の真骨頂。
食卓も一期一会。毎日を新鮮な気持ちで器と料理に向かうにふさわしい言葉として、
日に新た
と名付けました。

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「苟日新、日日新、又日新」
(まことに日に新たに、日々に新たに、また日に新たなり)

殷の湯王(とうおう)という紀元前18世紀ごろの王の言葉。

この言葉を、ことのほか、菅原さんが感動、共感してくださったのでした。
今、まさにこのような想いなのだと。
そういうことを大事にしたいと思っているのだと。

正直に言うと、菅原さんの容貌に似合った!?ロックなタイトルではないし、
真面目過ぎて気に入ってもらえるかなぁと、ちょっと不安でもあったのです。
なのに、私の予想と違って、ずんと響いてくださったことが驚きでした。
そして、想いがシンクロできたようでとてもとてもうれしかったのでした。

今、手にしている時間、まさに今。
その今という日を新たに迎え、送ること。
その時のつながりの瞬きを新たにしていくこと。

そんな想いが、作品そのものに込められ、使う器の姿となって現れていることが得難いこと。
菅原さんの器、洗練されていて、クールでかっこいいけれど、
それは妙(たえ)なる美しさなのだと、このタイトルを通して思いを深めたのでした。